選考委員からのメッセージ

細音啓 イラスト/猫鍋蒼「第18回〈佳作〉受賞作「黄昏色の詠使い」でデビュー。多くのヒット作を手掛け、現在「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」を大ヒット刊行中。
自分が選考委員で本当にいいのかな……という戦々恐々な心境ですが、同時に、この大役にワクワクしてます。
新人賞も同じだと思います。
細音が第18回で受賞した時、その原稿はワクワクしながら夢中で書き上げました。この物語を書いている瞬間が最高に楽しい一時だから――そう思える作品こそ、きっと作者の一番いいところが現れると思います。
タイトルも章題も二の次にしたって大丈夫!
まずは、自分の書きたい物語を探してみてください。本当に書きたい物語なら自然と手が動くし、自然とキャラが歩きはじめます。
そうして出来た「あなた」の物語を、全力で楽しませて頂きます!
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橘公司 イラスト/つなこ「第20回〈準入選〉受賞作「蒼穹のカルマ」でデビュー。第二作「デート・ア・ライブ」はアニメ化、映画化を果たす大ヒットとなり、現在TVアニメ三期が放送中。
文章を読んでいて、「面倒くさい」と思ったことはないでしょうか。なんかよくわからないことを延々と書いていてつまり何を言いたいんだこれは、と。その感覚は、ある意味作家の才能なのではないかと思います。だってそれは、自分が読んでいて面倒くさくない文章を書けば、同じように思っていた人々に受け入れられる可能性が高いということなのですから。もちろん思い通りの文章を出力するにはある程度の訓練が必要ですが、その感覚が根にあるというのは、実は大切なことなのではないかと思います。
さて、この文章を読んでいて少しでも「面倒くさい」と思ったあなた。もしかしたら、才能があるかもしれません。
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羊太郎 イラスト/三嶋くろね第26回〈大賞〉受賞作「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」でデビュー。同作がアニメ化を果たす。現在「ラストラウンド・アーサーズ」を大ヒット同時刊行中。
今回、審査員を務めさせて頂くことになった羊です。
さて、オリジナリティがどうとか、自分が好きと思えるものを書けとか、何かに拘れとか。まぁ、多分、歴代審査員が仰り続けてきたであろうので、僕はあえて少々違う路線で行きます。「テンプレ」が読みたいです。
テンプレの何が悪い。テンプレ最高。現実問題、よく売れてる作品は大抵、何かしらどっかで見たことあるテンプレです。
かと言って「不味いテンプレ」はごめんです。たとえば、僕はカレーが大好きで、カレー以外食いたくないんだけど、レトルトばかりじゃ飽きるでしょ? たまには、ひと味違うカレーが食いたい……つまり、アイデアをしっかりと料理した極上のカレーを持ってきて欲しいということなんです!
その極上のカレーを探し出すため、羊は精一杯、審査員を頑張ります!!
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ファンタジア編集長
小説を書いてその場でWEBにUPし、編集者の目に留まり書籍化・作家デビューというのが一般的なことになったきた今、出版社が主催する新人賞に応募するメリットとは?そんなことを最近、よく考えてました。
ファンタジア大賞の受賞作は当たり前のことですが、ファンタジア文庫で刊行されます。そのことを知って応募してくる方が大半だと思う前提で辿り着いた結論は、『ファンタジア文庫でデビューできること』でした。
デビューしたいと思われるレーベルであり続けるために、ファンタジア文庫編集部は常に本気です。新しい選考委員を迎え、まだ見ぬ才能、尖った作品、もちろん王道の物語も、ご応募お待ちしています。
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